「国立歴史民俗博物館のワークシートを母国語で作る」発表会を開催しました
8月2日に毎年行っている国立歴史民俗博物館(歴博)と千葉大学での共同授業の発表会を開催しました。
こちらは本学では国際教育センターに兼務で所属している和田が、歴博では広報連携センターの教員が中心となって行う授業で「歴博の展示を母国語で解説がされたワークシートを作り、同じ母国語の人を案内できるものにする」企画です。千葉大学の授業では短期留学生が受講する科目「特別研究C」「特別研究D」(2015年度までは「特別研究3」「特別研究4」と呼んでいました。)の名称で行っており、歴博では「留学生プロジェクト」と題して博学連携の取り組みとして協力をいただいています。1年かけて歴史の専門的な知識を学び、展示の歴史的解釈を歴博の先生から学んで最終的には母国語版と日本語版の両方を製作します。
2008年10月からこの授業をはじめて今回で第7期になり、今期は中国語のワークシートが3枚できました。これまでにはドイツ語、ロシア語、インドネシア語、韓国語、英語などさまざまな言語のワークシートを短期留学生は作ってきました。
発表会では中国の留学生シュクさん、エンさん、チンさんが、1年かけて勉強をしたワークシートを使って、みんなで展示室を回り、そして研修室に戻って、製作の意図について製作者である彼女たちが発表し、教員と受講者が交互に批評をしていきました。
なお、この発表会では千葉県立佐倉高校のスーパーグローバルハイスクール事業(SGH)で、歴博に研修に来ている高校生2人も参加してくださいました。彼女たちも中国の留学生が日本の歴史や文化を日本語で深く説明しているところに関心を持ってくれたようで、日本の歴史を他の言語で説明していく意欲を持ってくれたとのことでした。
今回のようなワークシート完成発表会は、毎年行っていますが、高校生の参加ははじめてでした。大学で行う留学生授業の企画、そして高校と博物館でより歴史を国際的に発信していくことを学ぶ取り組み、そして博物館と大学との連携がひょんなことからつながっていく・・・。高大連携、博学連携が重層的に積み上がって有機的に発展していく希望を感じることができました。
最後になりましたが歴博広報連携センター長の横山百合子先生そしてこのプロジェクト立ち上げから学生の指導をしていただいている村木二郎先生そして今年度からご参加いただいている柴崎茂光先生には、お礼申し上げたく思います。
もし留学生のワークシートに興味をお持ちの方は、歴博に行かれたとき、第1展示室と第2展示室の間の休憩コーナーに閲覧用にワークシートを配架していますので、ぜひ手に取ってみてください。