「地域を知り、地域で企画する」-廃校小学校の新たなスタートを目指して-(1)
私と白川優治先生(国際教養学部)で千葉県鴨川市大山地区で、3月2~4日の間、野外活動授業を行いました。
副題は「廃校小学校をプロデュースする」です。少し大きく書いたタイトルですが、意気込みと思ってもらえればと思います。
全国の農山漁村で子どもの人口が減少し、小学校、中学校の廃校そして統廃合が多く見られます。「若い人たちが減っているから仕方ない」では済まされない多くの問題を学校の廃校から考えないといけません。
若い働き手のパパママが農山漁村に移住し、その地域に子どもが通う学校が必要になるのがいちばんの理想ではあります。しかし雇用の問題と大きくリンクしてくる問題です。
また校舎などインフラの活用をどう考えるかも大事です。学校は校庭があり、体育館もあります。学校が廃校になっても地域住民の人たちにとっては有効な活用ができる施設です。
また「道の駅」あるいはそれに近い観光施設への利活用の変更も選択肢のひとつでしょう。
しかし、私が一番大事に思っていることなのですが、学校がつくられるところは基本集落、村の中心地につくられているということです。国道などの幹線道路と違う、その集落、むらの人たちがもっとも行き来する中心道路にだいたい立地しています。全国どこでも小学校のある近くには、郵便局があったり商店があったり駐在所があったりするのをよく見かけます。
学校って、そこに住まう人にとって大きなランドマークでもあると、私は思います。
学校は未来を担う人たちが学ぶ場であるといえますが、同時にそこで生まれ育ち地元で生活する人にとっても、自身の人生の記憶装置になっているとも思います。そこに自分自身が通い、子どもが通い、孫が・・・というところで世代が続かなくなっているといえます。
今回この授業で伺うのは千葉県鴨川市にある旧大山小学校です。校舎の半分は公民館となり、講堂や図書室として使われていますが、残り半分は空き教室のままです。これからこの空間をどう活用するのかを考えるところにきています。
私は観光資源としての活動拠点というよりも、住民自治の象徴となるような利活用がよいのでは、と考えています。住民とは古くから住まう人と移住してくる新しい方双方が融合の場とならないかな、と思っています。
大山地区に住まうみなさんがどのような意志決定をされるかなど、ともに考えていくようにしたいと思っています。
参加した学生の活動については、またページを改めて投稿します。