NEW『経済更生運動と民俗 1930年代の官製運動における介在と変容』出版しました

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今回これまでの科研費による成果に基づいて『経済更生運動と民俗 1930年代の官製運動における介在と変容』(七月社)を出版しました。

七月社の西村篤さんが以下の帯文を作っていただきました。

満州事変の翌年に始まった「農山漁村経済更生運動」は、「生活改善指導」の名の下、緩やかに民俗慣行に介入していく。

むらの相互扶助システムは、相互監視の役割をも果たし、「守らなければならない」という雰囲気が人びとを包み込む。

日中戦争開戦へと至る「空気」はどのようにつくられたのか。
各町村が策定し、県がとりまとめた『茨城県農山漁村経済更生計画書』をつぶさに読み込み、官製運動が「民」を動かすメカニズムに迫る。」

経済更生運動は、どうしても満州への分村のイメージが強く持っていましたが、それは昭和12年7月の日中戦争から後、まさに国策として満州分村が強く推し進められる「国のための更生計画」に大きく変わりました。しかしそれより前の昭和7年から始まる経済更生運動(前期)は「むらのための更生計画」であったことがわかります。そこには今までの日常生活のそして今まで行ってきた民俗慣行を改善していくことに官側から介在していき、民がそれを守らないといけないとする「空気」を作り上げていくものでした。

この本では「空気」「共同監視」をむらというユニットから考えてみたいと思い、現在の日本社会に埋め込まれている心意を考えたいと思いました。

また「ほんの裏側」で拙著の作業過程で考えたことを綴ってみました。よかったらぜひご一読いただければと思います。

「ほんの裏側」七月社ホームページに飛びます。

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